2018年06月09日

タイヤ交換のインプレッション

FX110のタイヤを純正のものからIRCのGP-21に変更しました。まだタイヤの皮むき(慣らし)ができていませんが、近所を少し走っただけでもいくつか違いを感じることができました。

一つはやはり、剛性感が高まったことです。元のタイヤはわだち状のところを走るとリアが少し横に流れるというか、グニャリとずれる感触があるのですが、GP-21ではそれがありません。路面にかかわらず直進性が乱されにくく、また、高い接地感が感じられます。例えて言うなら、つま先立ちで歩いていたのが、足の裏をつけて歩くようになったような感じです。

またもう1つ大きな違いを感じたのが振動の少なさです。元のタイヤはブロックが並行に並んでいて、いかにも回転に応じてガタガタと振動が生じそうな形状です。またタイヤのゴムが硬いこともそれに影響しているようです。GP-21にすると、シートに伝わるリアサスからの振動が明確に小さくなります。シートのかどに触れる内股の部分で特に大きい違いを感じました。リアサスの取付部がシート直下なので振動が伝わりやすいのかもしれません。また、ミラーのブレも小さくなっています。エンジンの振動のためぶれているのだと思っていましたが、それだけでなくタイヤの振動も大きかったようです。エンジンの振動は当然小さくありませんが、快適性は想像以上によくなったと感じられます。

最近のタイヤには回転方向指定のあるものが多くなっています。純正装着タイヤも,またGP-21も回転方向指定です。フロントに装着するときはそのとおり組めばいいだけですが、リアをどうするかには議論の余地があります。フロントはブレーキング時にしか回転方向の力がかかりませんが、リアは加速時と減速時で逆に力がかかります。加速重視で考えるなら逆向きに(回転方向指定とは逆に)組むのが良さそうですが、FX110には滑らせるほどの力はありません。ブロックのパターンも対称であまり回転方向によって差がないので、素直に回転方向通りに組むことにしました。いずれにしてもFX110では "FRONT USE ONLY" と書かれたタイヤをリアに組まざるを得ないので、あまりこだわっても仕方ないのですが。

まだ十分皮むきができていませんし、運転技術的に寝かせて走ることができないので、グリップについてはまだなんとも言えません。しかしブレーキングではフロントのグリップを強く感じることができました。それに対してリアは依然としてロックしやすいのですが、これは重心が高く乗員に対してバイクの重さも軽いため、どうしてもブレーキング時にはリア荷重が小さくなり、しかたがないようです。

林道での印象はまた後日追加したいと思いますが、ネガティブ率が下がった割にコンパウンドが柔らかいので実はさほど違わないのではないかという淡い期待を持っています。



2018.6.24追記

タイヤ交換後、林道30kmを含む150kmほど走行しました。やはり、なにより乗り心地がよくなりました。ハンドルの振動はエンジン由来のものが大きいようでさほど違いませんが、シートからの振動は大幅減です。また、あたりが柔らかくマイルド感がありますし、前のタイヤは空気圧が低いとグニャグニャ感が増すので高めにしていましたが、今回のはそうする必要もなさそう。

舗装路でのグリップは向上していると思います。倒したときも自然で、小さいブロックに乗ったつま先だった感じがしません。未舗装路では、硬いダートでは前のタイヤと差がないように思います。砕石が積もったような滑りやすい路面では少し滑りやすくなった感じがしました。ドロドロのところには入っていないのでわかりません。
posted by tksg at 22:45| Comment(3) | FX110

タイヤ交換

純正タイヤはまだまだ山がありますが、いろいろ思うところあってタイヤ交換をしました。

早々にタイヤ交換する理由の1つは、純正装着のタイヤの性能に少し疑問を持ったためです。FX110についてくるタイヤはYuanxingというブランドのタイヤで、調べてみると中国内陸部、成都の近郊にあるタイヤメーカのようです。ブロックがまばらに配置されたネガティブ率の高いタイヤですが、柔らかいゴムが使われるトライアルタイヤとはかなり違うようで、ゴムがかなり固めです。そのため舗装路を走っても見た目から想像されるよりはちゃんと走るのですが、ブロックが細くて高いので、どうもグニャグニャした感触があります。FX110は剛性感が低いと書かれているブログがありますが、どうもこれはタイヤのせいではないかと思っていて、それを検証したかったということもあります。

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さて,それではどんなタイヤをつけるか・・ですが、自分の使い方では割と舗装路も走るので、いわゆるトレール車のタイヤから選びました。前後ともオフ車のフロントに多い21インチホイールですので選択肢が結構あります.ダンロップのD605、ブリジストンのTW301なども検討しましたが、これらより少しだけオフ寄りで評判のよいIRC(井上ゴム工業)GP-21にしました(上写真の右)。1.6インチのリム幅に適合するものは2種類ありますが、チェーンテンショナーとリヤタイヤの間のクリアランスが狭いので無理をせず、細い方の2.75-21を選択しました。amazonで1本4,718円とリーズナブルです。届いたタイヤは結構汚れていましたが、製造年月は0618、つまり今年の第6週製造で結構新しいものでした。

並べてみると、純正のタイヤに比べてブロックは大きめですが、密度(ブロックの個数)はあまり違いません。触ってみると、ゴムそのものの硬さはGP-21のほうがずっと柔らかい。またタイヤ全体の丸さもあります。純正のタイヤはブロックの頭がそれぞれ平面的な感じですが、GP-21は丸みに沿った形状になっていてカーブがスムーズに回れそうです。

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タイヤ交換(組み換え)は初めてなので道具も揃えました。タイヤレバー3本とリムガードがセットになったもの(1,999円)と虫回し(273円)。ビードクリームも用意しましたが、結局、シリコンスプレーをリムに吹いただけで組めたので使用しませんでした。念のためチューブやリムバンド、バルブコアも買いましたが、チューブを破ることもなかったので結果的にそれらはすべてストックに回りました。

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フロントホイール、リアホイールともにアクスルシャフトを抜くだけで脱着できます。しかしフロントホイールを取り外している間、バイクをどうやって立てておくかが問題です。またアクスルシャフトは固く締まっているので、緩める際にバイクに力がかかりがちです。幸い、車庫の物置きスペースの梁が太いので、そこに強靭なロープとカラビナを吊るし、ハンドルバー(バーライザーの間)をロープで吊るして保持しました。FX110の場合、ジャッキアップポイント(ステップ下の突起)が後ろよりについているため、フロントホイールを取り外してもまだ前が下がろうとします。念のためフォークの下にも台座を置いて支えました。

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タイヤの脱着ですが、径が大きく細身のタイヤなので、想像していたよりはずっと楽にできました。空気を抜いて虫を抜き、エアバルブ部分のナットを外します。またFX110ではビードストッパーがついているので、そのボルトも緩めておきます。そしてビードを落としていきますが、チューブレスタイヤとは違ってホイルに引っかかっていないので、指で押すだけで隙間があくぐらいの簡単さです。

ハブやブレーキディスクが床に接触しないよう木片を敷き、手前側のビードを膝で押さえながら向こう側にリムガードとタイヤレバーを差し込めば簡単にビードを手前に出せます。2本目のタイヤレバーも使い、4分の1ぐらいが上がってくれば、あとの部分は手で出せます。隙間からチューブを引き出した後は、タイヤを立ててホイールを引っ張れば大した力も使わずにホイールが外れます。

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装着は逆の手順です。まずは新しいタイヤのビード部分に軽くシリコンスプレーを吹き、タイヤをはめ込みます(一方のビードをリム内に入れます)。これは立てたまま指の力で楽に入りました。次にチューブを入れ、エアバルブ部分のナットを軽くかけてから残りのビードを入れていきます。このときはタイヤレバーを使う必要がなく、順に押し込んでいくだけで全部入りました。ビードストッパーや、チューブのバルブ部分がビードに引っかかりやすいので、そこをチェックしてOKならエアバルブ(虫)をつけて空気を入れ、2箇所のボルトを締めれば完成です。ビードストッパーは強く締めますが、バルブ側は程々にしておきます。

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よく、ビードを出したり押し込んだりするのに相当な力が要ったり、その際にチューブを破ったりといった話を聞きますが、少なくとも今回のケースではそんなことはありませんでした。できるだけタイヤレバーを使わないようにしたこともありますが、やはりポイントは反対側のビードをちゃんと落とすところにありそうです。ビードには強靭なワイヤーが入っていますので、無理に伸ばすことはできません。外そうとするところの反対側のビードを落とすことで長さに余裕を作ることが大事なようです。まあ、フロントタイヤ(21インチ)は楽だがリアタイヤ(普通は18インチ)では苦労した、といった話が多く、FX110はフロント・リアともに21インチなので楽で当たり前です。最初のフロントよりリアはもっと要領よく、短時間で組み上げることができました。

道具としては、リアスプロケットやブレーキディスクが床面に接触しないように浮かせる木材が必要です。井桁状に組んだものが使いやすいようなので自作しようかと思っていましたが、結果的には自宅に転がっていた端材(太いものと細いもの2本)があれば十分でした。また空気をいれるのも自転車用の普通の空気入れで十分です。

バイクに装着する前にアクスルシャフト部分のシールなどを点検します。特に問題ないようですが、回転時に少し鳴いていたので内部にたっぷりとチェーンルブのスプレーを吹き込んでおきました。アクスルシャフトにはめるカラーは位置によって長さが違うので間違えないように元通りに組み付けます。

長くなったのでインプレッションは次のページで。
posted by tksg at 20:34| Comment(0) | FX110