上の写真はシートを取り外したところです。幅の広い箱状のフレームの中に燃料が入ります。この箱はステアリングのステムを頂点にした三角形状となっていて、後ろに行くほど太くなっています。一般にこのような構造のねじり剛性は断面積の4乗に比例するので、丸パイプでは相当厚みがあっても比べ物になりません。
リアのスイングアームとその取付部です。125ccのバイクでは、スイングアームの両端は板状のパーツになっているものもあり、箱状になっているものでも細いものが多いですが、FX110では断面積が大きい上、タンクを兼ねる箱状の部分ほど太くなっています。裏側にはリブ状の加工もされており、端的に言ってフレームの剛性は十二分のように思われます。
スイングアームは先の方ほど細く、これが華奢なビジュアルをもたらしていますが、実際にはビーム剛性(曲げ剛性)にとって重要な根元ほど連続的に太くされていて剛性に配慮されています。リアショック・スプリング取り付け部分から前は、上下に厚みのある(中央に空洞を設けた)構造となっていて、やはり、曲げ剛性を意識した作りです。
スイングアームピボットの長さも十分長く、しっかりした構造になっています。そもそも、昔ながらのツインショック構造に比べ、この種のモノショックではスイングアームが直接、荷重を曲げ剛性として受けますから、カブやモンキーのような細いパイプでは成立し得ず、自然に剛性が確保される構造であると言えます。
全体に、大断面と連続的な形状で剛性を稼ぐ構造となっており、シンプルな形状も相まって軽さを得ています。もちろん本格的なモトクロス車のような、閉じたアルミフレームや太いスイングアームにはかないませんし、大きなショックで割れたりしにくいようある程度のしなやかさも持たせるよう作られているように見えます。それに対し、純正のガミータイヤ風のタイヤは空気圧を上げてもそれぞれのブロックがヨレる感じが拭えず、タイヤを変えると乗り味は大きく変わるだろうと思います。ただしこのバイクはあまりオンロードで飛ばすものでもないので、こういうタイヤが似合っているとは思いますが・・
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